光岡幸一 個展
「ひぃ~~~~゜~~ゅ~^~~ぅ~~」


会期

2022年1月15日(土)〜2月13日(日) 土日祝のみ 12:00〜19:00

(2022年1月15、16、22、23、29、30日、2月5、6、11、12、13日)


※ご来場の際には必ずマスクをご着用いただき、入口にて手指のアルコール消毒にご協力ください。新型コロナの諸症状がある方、体調の優れない方はご来場をお控えください。

展覧会紹介

Token Art Centerでは2022年1月15日より光岡幸一個展「ひぃ~~~~゜~~ゅ~^~~ぅ~~」を開催します。
光岡は、リサーチを基にしたプロジェクトベースのインスタレーションや写真、パフォーマンスなどを制作してきました。いずれの作品でも作る過程で遭遇する出来事や人々との対話が光岡にとって非常に重要な媒体としてあり、展覧会が始まるまで、そして始まった後も常に作品を変化させます。作品は光岡本人の外部へ開かれたものとしてあり、完結せず揺動し続けます。
光岡が継続して行なっている《TAMA ART CENTER》というプロジェクト。光岡は多摩川河川敷の草むらあった廃墟状態のホームレスが作った小さな村を発見し、長い時間をかけて観察するようになります。そこで出会う人々との関わりや、のちに控える河川拡張工事の影響による環境の変化などを記録、そしてその村の一角に屋号の看板を掲げ、私設のアートセンターとしてツアー形式の展覧会等を開催します。そこは動物や昆虫、植物が息づき、屋根はなく雨ざらし。時には台風に伴う河川の増水によって展示物を含むすべてが流されることもあります。ここにはスタティックな要素なく、誤解を恐れずにいれば光岡自身が造作したものはほとんどないのかもしれません。光岡のこういった外部の環境に身を委ねるような態度はプロジェクト作品に限らず、写真やドローイング、パフォーマンスなどを制作する際にも現れています。
また、作品の記録としてのテキストや自作を説明するための言葉も光岡作品の中では重要な要素であるように思われます。光岡は自作を説明する際、作品のコンセプトを説明するのではなく、制作過程にあった出来事、そこに居合わせた自身の感情などを話してくれます。まるで作品を作るまでの日記のように。それらは素朴な言葉でありながら作品と一体となりどこか感情の共有を誘います。光岡にとってテキストや文字は作品の補助線としてあるのではなく、一つの媒体といえるでしょう。近年はこのテキストが独立して、文字そのものを展示する《poetry taping》なるシリーズも展開しています。
本展で光岡はコロナ禍で当たり前となった換気のための窓の開放を展覧会の要素に組み込むことにしました。本展もこれまでの他者に身を委ねる実践の延長にあり、窓を解放することによってホワイトキューブにとってのノイズ、つまり風、日光、雨、生物などの屋外の要素を多分にギャラリー内に取り込みます。展示タイトルはその風の擬音から。他者を取り込むことで展覧会や展示空間の制度をどのように変質させることができるでしょうか。ぜひご覧ください。

作家略歴

光岡幸一 Koichi Mitsuoka


1990年 愛知県生まれ
2013年 武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒業
2016年 東京藝術大学大学院美術研究科絵画油画専攻修了

個展
2021年 「もしもといつも」 block house (東京)

主なグループ展
2021年 「ATAMI ART GRANT」ホテルニューアカオ (静岡)
              「とよたまちなか芸術祭」 豊田市美術館七州城隅櫓 (愛知)
              「のけもの」3331 Arts Chiyoda (東京)
              「写真新世紀展2021」東京都写真美術館 (東京)
              「Agoraphobia」隅田公園 (東京)
              「vernacular communication」TAMA ART CENTER (東京)
              「群馬青年ビエンナーレ2021」群馬県立美術館 (群馬)
              「水に流せば」EUKARYOTE (東京)
              「どこ×デザ」広島市現代美術館 (広島)
2020年 「DELTA EXPERIMENT」TEZUKAYAMA GALLERY (大阪)
              「EASTEAST_Tokyo」ログズビル (東京)
              「The Struggle for Tomorrow」3331 Arts Chiyoda (東京)



《もしもといつも》2021 写真、渋谷渋色泥、ビニールシート、木材


《もしもといつも》2021 写真、渋谷渋色泥


《poetry taping》2021 布、紐


《poetry taping》2021 テープ


《いしのいし》2021 石、映像


《あっちとこっち》2019〜 漂流物