蔭山忠臣 個展
「in between」


会期

2022年9月3日(土)〜10月2日(日) 土日祝のみ 12:00〜19:00

(9月3、4、10、11、17、18、19、23、24、25日、10月1、2日)


※ご来場の際には必ずマスクをご着用いただき、入口にて手指のアルコール消毒にご協力ください。新型コロナの諸症状がある方、体調の優れない方はご来場をお控えください。

 

イベント情報



展覧会紹介

Token Art Centerでは2022年9月3日より蔭山忠臣個展「in between」を開催します。
蔭山は初期においては他者とのコミュニケーションを起点に、機械仕掛けの装置の中で蔭山自身が長時間パフォーマンスを行う作品を発表していましたが、次第に自身を含む生物と機械を切り分けて考え、それぞれを対比や近似を描くような作品に移行していきました。近年は特に人工知能や「擬人化」を伴う受容のあり方とそれを取り巻く、文化的、社会的な状況に関心を持ち、機械と自らの身体を用いたパフォーマンスやインスタレーション作品を発表しています。
蔭山のいう「擬人化」とは、人間が自身と相対しているロボットなどを生き物ではないことを理解しながらも、その中に生命を認識してしまう状況のことを指します。例えば、孤独を癒すアニマルセラピーとしてロボットが用いられたり、修理サポート打ち切りにより「死んだ」ペットロボットの集団葬儀が実際に行われているような状況などです。ここでは、人間が機械をある生物と同等のエージェントとして扱おうとしており、人間がロボットに、あるいはロボットが人間に互いに近づこうとする精神の動きが働いているのではないかと蔭山は考えます。蔭山の作品に度々現れる人間、動物あるいはロボット、いずれかわからない物体や不定形な身体とその動きはこのような考えから生まれているように思われます。
黒い布に包まれた四足歩行の2体の物体(一方は蔭山でもう一方はロボット)が相対しながら床を這いずり回る《I will touch you》というパフォーマンス作品。この作品では蔭山にとって不自由な四足歩行や床に撒かれた滑りやすい液体によって、それぞれの身体のパフォーマンスレベルが均衡していきます。人間とロボットという二項対立を超えて、それぞれがない混ぜにされるこのパフォーマンスは一方で、障害物が近づくと後退するようプログラムされたロボットと人間が互いに触れ合うことなく一定の距離を持ったまま相対することで、それぞれはどこまでいっても別の存在であることを同時に感じさせるのです。そして、これに限らず蔭山作品を通して感じる滑稽さや不穏さといった微妙な感覚もまた、人間らしさやロボットらしさと同様に容易に分類することができないものであるように思います。
本展タイトル「in between」は、ロボットと人間、人間と動物、彫刻とパフォーマンスなど分類できないさまざまなものの間を意味しています。AIによる音声、掃除ロボットそして蔭山の身体を用いて、人間、動物、ロボットのそれぞれが混合されるようなパフォーマンス、インスタレーションの新作を発表します。




作家略歴

蔭山 忠臣 Tadaomi Kageyama


1985年 大阪府生まれ
2011年 東京芸術大学絵画科油画専攻卒業
2014年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了
ケルンメディア芸術大学在籍

主なグループ展
2021年 「Agoraphobia」隅田公園、隅田川、牛嶋神社(東京)
2019年 「schlafende Hunde」KunstKulturQuartier(ニュルンベルク)
2018年 「Jahresausstellung」 AdBKNürnberg(ニュルンベルク)
2017年 「SUPER OPEN STUDIO 2017」アートラボはしもと(神奈川)
2014年 「素晴らしい人」アキバタマビ21(東京)
2010年 「岡本太郎現代芸術賞」川崎市岡本太郎美術館(神奈川)



《Smiling Family》 2011 モニター、ビデオカメラ、木材、他


《Thinking Legs Extended》 2014 モニター、木材、DCモーター、小型カメラ、他


《I will touch you》 2015 DCモーター、マイコン、炭、ホワイトシート、他


《I can say what I see》 2019 マイクロコンピューター、スピーカー、小型カメラ


《Wolves are not dogs》 2021 マイクロコンピューター、スピーカー、フェイクファー


主催:一般社団法人Token
協賛:株式会社ThreePeace、合同会社ONEスマイル
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業