根本祐杜 個展
「ナッシングアットオール」


会期

2021年2月20日(土)〜4月4日(日) 土日祝のみ 12:00〜19:00

(2021年2月20、21、23、27、28日、3月6、7、13、14、20、21、27、28日、4月3、4日)

※会期が延長になりました。

※ご来場の際には必ずマスクをご着用いただき、入口にて手指のアルコール消毒にご協力ください。新型コロナの諸症状がある方、体調の優れない方はご来場をお控えください。


イベント情報

ナッシングアットオール作品解説:2月27日(土) 19:00〜(1時間程度)

※オンラインにて開催します。Token Art CenterのYouTubeチャンネルよりご覧ください。
▶︎ Token Art Center YouTubeチャンネル

展覧会紹介

Token Art Centerでは2月20日より、根本祐杜個展「ナッシングアットオール」を開催いたします。 根本は、彫刻を中心に、インスタレーション、ドローイング、パフォーマンス、絵本など様々な方法で表現しています。 近年の彫刻は、セラミックの独特の物質感と奔放な形態、荒唐無稽なテーマなどが相まって笑いを誘うとともに異様な存在感を示しています。 それらは見るものに強烈なインパクトを与えますが、その背後には現代社会におけるルールやシステム、合理性などに対して揶揄あるいは無化、 逆行するような態度が貫かれています。
例えば、《つくられた壺》2018 はコンペにて発表された作品で、順位づけを行わないオリンピックをテーマとした古代土器を模した壺のインスタレーションです。 壺の表面には、円盤の代わりにステーキを用いた投擲、人間ではなく粘土の壁を殴るボクシンング、叫びながら水切りをするなどナンセンスな競技が描かれ、 その脚には白い台座ではなく、肉のプリント合板、拳の痕跡が貼り付けられたり、表彰台を模した自作の台座などが使用されています。 また、《パーフェクトオフィス》2020 は、会場となった元オフィス空間から着想し、社会におけるフォーマット化の場としての「面接」がテーマになっていました。 その「面接会場」には、明らかに場違いな2tの土で作られた巨大な「うんこおじさん」が面接を受けています。 面接官やその脇でデスクに向かう労働者はセラミックのピースで組み上げられており、とってつけたような頭部や転写プリントされた顔面は、 仮説的な役割が貼り付けられているようです。そこには生産性や合理性の観点ではありえないような労働環境が作り上げられました。 根本は展覧会や彫刻の制度を社会システムにオーバーラップさせて考え、それらのカウンターのように根本自身の中に湧き上がる妄想やイメージを作品化します。 それらは一見、意味不明で荒唐無稽でありながらも、現代において人間あるいは社会の成長や多様性について今一度考えを促すものと言えるかもしれません。
そして、根本は昨年ギリシャ・アテネへ留学のため半年間滞在していました。本展ではアテネ滞在時に考え、製作したものが中心に発表されます。 中心になるのはセラミックを使用した高さ2.5m超えの棒人間の彫刻です。その他、セラミックの胸像、壺や自作のアイアンシェルフなどで 構成したインスタレーションとペインティングなどを展示予定です。Covid-19の蔓延のため、現地では外出や制作が制限される中で、 アテネの文化や郷土などから何を得てきたのでしょうか、あるいは全くなにも(ナッシングアットオール)得なかったのでしょうか。
なお、根本はCADAN有楽町にて2021年2月23日から3月14日まで開催される倉田悟、根本祐杜の二人展「Infinite Jest」にも出展いたします。ぜひ本展とあわせてご覧ください。

作家略歴

根本 祐杜 Yuto Nemoto


1992年 千葉県生まれ
東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程在籍中
2020年 アテネ国立芸術大学交換留学
2017年 東京芸術大学大学院美術研究科修了
2015年 日本大学芸術学部 美術学科 彫刻コース 卒業

個展
2020年 「パーフェクトオフィス」 AOYAMASTUDIO164(東京)

主なグループ展
2019年 「東風」武蔵野美術大学FAL、東京造形大学CSギャラリー(東京)
2019年 「こねられない粘土のマインド」上野の森美術館ギャラリー(東京)
2018年 「CAF賞入選作品展覧会」代官山ヒルサイドテラスF棟 ヒルサイドフォーラム(東京)
2017年 「なまの記号たち−ポートレイトの現在形−」小金井アートスポットシャトー2F(東京)
2017年 「ゆるんだ遠近法」COEXIST-TOKYO(東京)






《PERFECT OFFICE》2020 ミクストメディアインスタレーション 撮影:木奥惠三




《つくられた壺》2018 セラミック, ミクストメディア


ドローイング 2020 紙に水性マジック


《BetweenMan》2018 セラミックにプリント H60×W30×D30cm



《ペニス屋さん》2018 ミクストメディア, 屋台


《Penis Man》2018 セラミック H60cm×W30cm×D10cm



《根本祐杜先生像》2016 セラミック, コンクリート, 石 H200×W100×D100cm