Agoraphobia


開催日時

2021年10月3日(日)13:00~19:00

 

 

 

展覧会紹介

「Agoraphobia(アゴラフォビア)」は、日常的に人々が集い、行き交う「公共空間」である隅田公園および隅田川を舞台に、現代美術の分野で活動する7組のアーティストがパフォーマンス作品を発表する1日限りの公演です。参加アーティストは会場となる隅田公園、隅田川の環境、背景やコロナ禍における人々の関係性などから考案した作品を発表。墨田区を拠点に活動するToken Art Centerが2020年に曳舟周辺で開催した展覧会「泥深い川」、本展はそれに続くまちなかプロジェクトの第二弾となります。

開発された公共空間は、所有者による管理が行き届き、樹木や芝生は適切に剪定され、コンクリートブロックが敷き詰められた広場にゴミはなく衛生的。健康的なレジャーが可能で、ほどよい快適さが保証されています。しかしこのような場所では一方で、私たちの安全を脅かすもの、有害と見なされるものが取り除かれることで、イレギュラーな出会いや未知なるものと遭遇する機会も同時に失われてしまうように思います。みなが平等で一様である場所では、自己と他者との関係や出会いも漂白されてしまうかもしれません。
さらに、2021年現在収束の目処が立たないパンデミックはこの状況を加速させ、仕切り板やソーシャルディスタンスの推奨によって私たちの所掌範囲はどんどん狭くなり、未知との距離はますます広がるばかりです。今日において私たちは管理された自らの所掌範囲からいかに抜け出すことが可能でしょうか。
本公演の会場はこの「公共空間」となりますが、パフォーマンスのためのステージなどは設けません。アーティストは日常的な風景の中で、偶然訪れた人々と同じ地平に留まりあるいは回遊しながら発表を行います。アーティストが行った行為が周囲の風景やそこに集う人々の行為と衝突し、互いに混ざり合うことで新しい環境を生成することを試みます。対面による新たな出会いが忌避される今日に、フィジカルに開催される本公演が息苦しく強張った現実の風景を変えていくことを願います。

参加アーティスト

いる派(小寺創太+阪口智章+花形槙)

小寺 創太 Sota Kodera
1996年、東京都青梅市生まれ。2021年、武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了。鑑賞空間にパフォーマーが長時間「いる」ことでオブジェクト化するパフォー マンスの形式「いる派」を表明し、自らの身体を展示/上演する。主な展示に「Model Room」(2020,武蔵野美術大学FAL)、「国立奥多摩湖〜もちつもたれつ奥多摩コイン〜」(2020,gallery αM)など。主な出演に阿目虎南主宰舞踏公演「Baroque」(2019,高田馬場プロトシアター)など。


花形 槙 Shin Hanagata
1995年、東京都生まれ。慶應義塾大学SFC卒業、多摩美術大学美術研究科修士課程情報デザイン研究領域在籍。テクノロジカルに加速する資本主義社会において揺らぐ、デジタルとリアル、身体と意識、自己と他者、人間と非人間、という境界を、肉体を通して再構築するような状況を制作する。 最近の展示に、「KUMA EXHIBITION」(2021, 清澄白河廃倉庫)、「トランス・ペアレンタル・コントロール」(2021, 新宿眼科画廊)など。主な受賞に、メディア芸術祭アート部門審査員推薦作品(2019)、学生CGコンテストアート部門評価員賞(2021)など。www.shinhanagata.com/
(Agoraphobiaでの参加パフォーマー:齊藤コン、エニオン)


阪口 智章 Tomoaki Sakaguchi
1998年、東京都生まれ。多摩美術大学絵画学科油画専攻在籍。自身の生活の中で生じる心身の不一致や無気力な状態に陥ってしまった体験をベースに、身体を媒介としながらその輪郭を強調していくような作品を制作する。主な展示に、東京造形大学アイスキューブギャラリー「I was there」など。

1998年、東京都生まれ。多摩美術大学絵画学科油画専攻在籍。

 

 

梅田 哲也 Tetsuya Umeda

もともと周囲の環境にある素材でインスタレーションを制作し、美術館や博物館における展覧会の他に、都市空間や自然のなかでおこなうサイトスペシフィックな作品を多く手掛けている。また、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、中心点をもたない合唱のプロジェクトなど、パフォーマンスのフェスティバルでも数多くの作品を発表している。11/20~1/23まで、昨年別府で制作した作品『O滞』を再公開する。https://inbeppu.com/2020/
2019-2021年度セゾン・フェロー

 


蔭山 忠臣 Tadaomi Kageyama

1985年生まれ。人間と機械・動物の関係性をテーマにパフォーマンス作品に取り組む。近年では人工知能を用いた作品を制作。主な展示や発表:2019年「schlafende Hunde」KunstKulturQuartier(ニュルンベルク)、2018年 「Jahresausstellung」 AdBKNürnberg(ニュルンベルク)、2017年 「SUPER OPEN STUDIO 2017」アートラボはしもと(神奈川)、2010年 「岡本太郎現代芸術賞」川崎市岡本太郎美術館(神奈川)など。

 

 

core of bells

湘南で結成。會田洋平、池田武史、新宮隆、山形育弘、吉田翔の5名から成るハードコア・パンクバンド、かつアーティスト集団である。変拍子だらけの楽曲演奏の合間に、寸劇をはさみこむスタイルで活動を開始。近年は、ハードコア・パンク/ノイズなどの激しい音楽や沈黙を積極的に使う実験音楽から「音ではない要素が音楽になり得る」「退屈さが、演奏/作曲者の意図しない要素を音楽に呼び込む」という特徴を見出し、制作として実践する。2020年、藤沢市アートスペースでの個展『WEEKEND』より、z-z言語「ウ」のメンバーである新宮隆が加入。


小林 勇輝 Yuki Kobayashi

1990年東京まれ。2014年ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ学位課程卒業後、日本人として初めてロイヤル・カレッジ・オブ・アート、パフォーマンス科に入学、16年修士課程修了。自身の身体を中性的な立体物として用い、性や障害、人種的な固定観念に問いけ、自由と平等の不確か な社会コードを疑い人間の存在意義を探るパフォーマンス作品を中心に発表。国内外の美術展、舞台、フェスティバル、ワークショップなどに多数参加。
 


関 真奈美 Manami Seki

1990年生まれ。言語とイメージ、物理空間と多次元に代理表象された空間を往来する手続きをふむ。 近作ではプログラム やシステムを人間の言語レベルで応用したパフォーマンス作品などを制作、発表。主な展示や発表に、2019年 個展「敷地|Site」武蔵野美術大学gFAL(東京)、2019年「記録係 vol.羽島市勤労青少年ホームを記憶し記録する1日」羽島市勤労青少年ホーム(岐阜)、2017年「PJB」BankART1929(神奈川)、2017年「(real) time と study tables」space dike(東京)、2017年「乗り物」blanClass(神奈川)、などがある。

 


光岡 幸一 Koichi Mitsuoka

名前は、字がすべて左右対称になる様にと祖父がつけてくれて、読みは母が考えてくれた(ゆきかずになる可能性もあった。) 。
宇多田ヒカルのPVを作りたいという、ただその一心で美大を目指し、唯一受かった建築科に入学し、いろいろあって今は美術家を名乗っている。矢野顕子が歌うみたいに、ランジャタイが漫才をするみたいに、自分も何かをつくっていきたい。
一番最初に縄文土器をつくった人はどんな人だったんだろうか?

 

会場

隅田公園(東京都墨田区向島1丁目3)、牛嶋神社、隅田川
ご来場の際は、まずそよ風ひろば内のインフォメーションセンターへお越しください。 東京メトロ半蔵門線・都営浅草線「押上駅」、東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」より徒歩13分
都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩5分
東京メトロ銀座線、都営浅草線浅草駅より徒歩6分

開催概要

日程:2021年10月2日(土) ※荒天の場合10月3日(日)に順延 13:00~19:00
会場:隅田公園そよ風ひろば、牛嶋神社、隅田川
参加アーティスト:いる派(小寺創太+阪口智章+花形槙)、梅田哲也、蔭山忠臣、core of bells、小林勇輝、関真奈美、光岡幸一
参加費:無料
主催:一般社団法人Token、「隅田川 森羅万象 墨に夢」 実⾏委員会
共催:墨田区
特別協賛:YKK株式会社
協賛:株式会社東京鋲兼
協力:牛嶋神社
ライブ配信:エックスイベント企画有限会社
設営協力:株式会社佐塚商事 奥多摩美術研究所
アートワーク:光岡幸一
フライヤーデザイン:牧寿次郎
※「隅田川 森羅万象 墨に夢」実⾏委員会 事務局は(公財)墨田区文化振興財団が担っています。

お問合せ

Token Art Center(一般社団法人Token)
〒131-0032 東京都墨田区東向島3-4-14
E-Mail: info@token-artcenter.com