Culture Dish


11月17日(金)12:00予約開始!

プロジェクト紹介

Culture Dishは、食を通して街を、あるいは街を通して食を見るプロジェクトです。食のプロセス:「摂取」、「消化」、「排泄」にテーマを分け、それぞれアーティスト・柴田祐輔、茶文化コミュニティ・茶酔、糞土師・伊沢正名による体験型のパフォーマンス、レクチャー、フィールドワークをすみだの街中で展開します。

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食物を摂取することの直接の目的は、生物学的なことであって、食物は身体エネルギーとなり必要な栄養素を補うものだということは容易にわかる。しかし同時に、現実の食物摂取行動が、社会的、宗教的、生物的刺激と文化的刺激の両方に対する反応として、また食事を、生物的欲求と社会的欲求の両面を満たすものとして認識することは、必然的に栄養に関する研究が、すぐれて生文化的な課題であるということを示すものである。
出典:「食と栄養の文化人類学 ヒトは何故それを食べるか」(中央法規出版株式会社)Paul Fieldhouse著、和仁皓明訳

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グローバル化の中で、巨視的にはどこもコピペしたような風景が広がる東京でも、仔細に見入ればエリアによって固有の文化が息づいていることに気づきます。例えば食べ物では、隅田川沿い下町エリアの居酒屋に入れば「キイロ」なるアルコール飲料が地元常連の間で盛んに飲まれているし、江戸時代に脂が多くて客には出せなかったマグロのトロを食べる方法として開発された江戸庶民の味・ねぎま鍋や、当時一帯が海だった江東区のあたりでよく採れたアサリと白米を炊き込んだ深川めしなんかもよく供されている。
これらの料理が生まれ、普及し、目の前の皿の上に乗るまでの背景には、街の文化、歴史、風土、そして人々の精神性が疑いなく存在しています。だから、私たちはその料理を通して丸ごと街とその文化を食べているとは言えないでしょうか。文化が食を規定する一方で、食もまた私たちの身体と意識、そしてその延長にある街とその文化を変容させます。食と文化は関係しながら変化し合っているのです。
本企画では、食のプロセス:摂取すること、消化すること、排泄すること をすみだ周辺の街やその文化の関連において考え、アーティストらによる体に直に働きかける少し変わった形式による発表を行います。これらの作品や活動を通じて、生を支える「食」と「街」を私たち自身の手で耕し=colere(cultureの語源)、生きていることを実感する機会となればと思います。

プロジェクト詳細

①摂取
柴田祐輔
「大衆割烹 代替屋」

下町ハイボールをご存知でしょうか?「ウイスキーハイボール」が高価だった時代に下町庶民のために生み出されたドリンクで、安い焼酎をいかに美味しく飲めるかという視点で作られ、大衆に受け入れられていきました。それらはウイスキーハイボールが手軽に飲めるようになった現在でも単なる廉価品や偽物としてではなく自立したオリジナルの飲み物として好んで飲まれています。このように下町には、当初は模倣して造られた「代替」品が、本物とは全く別の潮流をつくり、大衆化していくような文化があるように思います。アーティスト・柴田祐輔さんは「代替」を手がかりに、来場者の方が食べられる作品を提供する「大衆割烹 代替屋」を1日限りでオープンします。今回はコース料理のみ承ります。

 

 開催日  12月3日(日)
 時間  第1回12:00〜14:00(集合11:50)、第2回17:00〜19:00(集合16:50)、第3回19:30〜21:30(集合19:20)
 会場  やひろ食堂(墨田区八広2-45-10/京成押上線京成曳舟駅より徒歩10分)→Googleマップ
 参加費  3000円(要事前決済・先着順・定員に達し次第終了)
※上記はコース料理代金であり、お飲み物は別途料金を頂戴いたします。現地にてご注文、お支払いをお願いします。アルコール、ノンアルコール飲料いずれもご用意します。
 定員  各回10名(計30名)
 予約方法  予約サイトよりチケットをご購入ください。https://token-artcenter.stores.jp/
※チケット枚数はお1人様につき4枚までとさせていただきます。
※チケット購入後、アレルギーの有無等について確認依頼メールをお送りいたしますので、必ずご回答をお願いいたします。

 

柴田 祐輔 Yusuke Shibata

アーティスト。1980年福岡県生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院美術専攻版画コース修了。現実世界の曖昧さや不確かさに着目し、映像・写真・オブジェなど様々なメディアを使ったインスタレーションを国内外で発表。2019年には東南アジア6カ国でビデオに関するリサーチを行った。近年には、2023年『ニュー本場』(ya-gins/群馬)、2022年『指入鮨』(フィンガーインザスープ/東京)など、食に関係するプロジェクトを行なっている。近年の展覧会として、2022年『中村・柴田のマジックショー 開催中止』(Art Center Ongoing/東京)、2022年『芸術激流』(多摩川/東京)、2020年『プロモーション、世界!』(Art Center Ongoing/東京)など。http://yusukeshibata.com

②消化
茶酔
「流流点点」

消化を摂取と排泄の間に食べたものによって身体や意識が変容する時間と捉え、茶文化コミュニティ・茶酔によるお茶会を行います。今回、茶酔は川の流れを体内における流れ(食物消化や血流)に重ね、墨田区に隣接する隅田川に着目しました。古代、隅田川等によって運ばれてきた土砂が河口に堆積して砂洲が形成され、それが現在のすみだの土地の基盤になったといわれています。茶酔は隅田川を含む荒川水系の起点、そして源流を目指し遡るフィールドトリップを行い、それらを喫茶に反映していきます。すみだの土地を作った隅田川の源流を目指す旅は、すみだの源流を探すことにほかならないのかもしれません。茶文化が仏教と共に中国から日本へと流入したルーツから着想し、押上の弘福寺さんを会場に実施いたします。

 

 開催日  12月10日(日)
 時間  13:00〜16:00(集合12:50)
 会場  黄檗宗 牛頭山 弘福寺(墨田区向島5-3-2/京成線・都営浅草線・半蔵門線 押上駅徒歩約15分)→Googleマップ
 参加費  1500円(要事前決済・先着順・定員に達し次第終了)
 定員  20名
 予約方法  予約サイトよりチケットをご購入ください。https://token-artcenter.stores.jp/

 

茶酔 Ochayoi

映像作家・菊地翼、茶人・後藤桂太郎、編集者・坂間菜未乃、吉田芽未の4人からなる茶文化コミュニティ。何煎も何煎も熱茶を飲み続けることによって、カフェインやミネラル、温熱効果でリラックスしながら覚醒する現象「お茶酔い」を軸に、茶具制作、茶会、ポッドキャスト、ZINEなどの様々な活動を展開している。2021年7月に、湧水を採取してその場で茶を飲む「お茶酔いポッドキャスト」をスタート。2022年から中国茶具「茶盤」を製作し、吉田山大茶会2023 出店。2023年にお茶酔いWS「茶酔の会」「茶酔二会」を京都・VOU bldgで開催。

③排泄
伊沢正名
「まちなか培養」

半世紀に亘りトイレを使わずに排泄をおこなってきた糞土師・伊沢正名さんによるこれまでの活動と、排泄物が菌の働きによって分解され自然に帰り、新たな命が生まれる循環の過程などのレクチャーを行います。人間と自然が切り離されてしまっている現代の状況を、自然の循環の中で欠かすことができない排泄物という切り口で根本から考え直し、人間―自然―街の新たな関係を想像してみます。菌を用いた土壌作りや落ち葉、野菜くずなどの廃棄物を活用した堆肥作りなど循環型の農業システムに取り組む、たもんじ交流農園さんを会場にレクチャーを実施し、その後周辺の街中にてフィールドワークを行います。

 

 開催日  12月16日(土)※荒天の場合、翌17日に順延
 時間  13:00〜16:00(集合12:50)
 会場  たもんじ交流農園(墨田区墨田5-30-19/東武スカイツリーライン「堀切駅」「鐘ヶ淵駅」から徒歩約13分)→Googleマップ
 参加費  500円(要事前決済・先着順・定員に達し次第終了)
 定員  20名
 予約方法  予約サイトよりチケットをご購入ください。https://token-artcenter.stores.jp/

 

伊沢 正名 Masana Izawa

1950年茨城県生まれ。トイレが人間と自然を切り離すものと考え、自然の循環に人間が参画する方法として1974年1月1日よりノグソを始め、現在に至るまで50年間継続。1990年には正しい野糞のしかたを確立。人と自然の共生社会を目指す糞土思想を広めるために茨城県桜川市で糞土塾を運営し、全国を回って講演会など各種講座やイベントを開催している。主な著書・共著書に『ウンコロジー入門』(偕成社)、『葉っぱのぐそをはじめよう』(山と渓谷社)、『くう・ねる・のぐそ』(山と溪谷社)、『うんこはごちそう』(農山漁村文化協会)など。

ご予約はこちらから!

開催概要

プロジェクト名:Culture Dish
日程:2023年12月3日(日)、10日(日)、16日(土)
(16日が荒天の場合、17日に順延)
実施場所:やひろ食堂、黄檗宗牛頭山弘福寺、たもんじ交流農園
参加アーティスト:柴田祐輔、茶酔、伊沢正名
主催:一般社団法人Token、「隅田川 森羅万象 墨に夢」 実⾏委員会
共催:墨田区
協賛:株式会社東京鋲兼、東武鉄道株式会社
フライヤーデザイン:牧寿次郎
※「隅田川 森羅万象 墨に夢」実⾏委員会 事務局は(公財)墨田区文化振興財団が担っています。

  

お問合せ

Token Art Center(一般社団法人Token)
〒131-0032 東京都墨田区東向島3-4-14
E-Mail: info(at)token-artcenter.com
※ (at) は @ に置き換えてください