山下拓也 個展
「マスコットたちとカニエ・ウェストとタコス男、他」


会期

2021年11月13、14、20、21、23、27、28日、12月4、5、9、10、11、12日
12:00〜19:00

※ 12月9日(木)、10日(金)が追加となりました。12月10日(金)はイベントの関係で17:00クローズとなります。ご注意ください。


※ご来場の際には必ずマスクをご着用いただき、入口にて手指のアルコール消毒にご協力ください。新型コロナの諸症状がある方、体調の優れない方はご来場をお控えください。

 

イベント情報

● 11月20日(土) 19:00~20:30
ハンドメイドプリントパフォーマンス 1刷り500円

山下拓也がToken Art Centerのロゴを、お持ちいただいた持ち物にシルクスクリーンでプリントします。
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● 12月4日(土) 19:00~20:30
「マスコットたちとカニエ•ウェストとタコス男、他(🏺🐵)」
出演 = 倉知朋之介さん、山下拓也

2012年5月、ケロッグ社のシリアル「ココくんのチョコワ」の投票キャンペーンが開催されました。
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● 12月10日(金) 17:30~19:00
ゲストトーク
出演 = 藪前知子さん(東京都現代美術館学芸員)、山下拓也

コピー、ダビング、コラージュなど複製技術をテーマとし、話題を呼んだ展覧会「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」を企画された藪前知子さんと、サンプリングやループといったヒップホップ的手法を多用した本展および近作などについてお話しします。
※オンラインにて開催します。Token Art CenterのYouTubeチャンネルよりご覧ください。

▶︎ Token Art Center YouTubeチャンネル



● 12月12日(日) 19:00~20:30
出張ROMAN TICISO クロージングパーティ

神奈川県南足柄市で天然酵母パンを作っているROMAN TICISOこと三上晏子さんが、山下展のクロージングのに合わせてパンのスペシャルセット(ドリンク付き)を振舞います!三上さんのパンは歯応えがしっかりあってとっても味わい深い!ペースト類も全て自家製です!これまでオンラインでの販売で一部話題を集めていましたが、今回初めて店舗での販売となります。ぜひこの機会にお楽しみください!
お手数ですがご希望の方は、下記のフォームよりご予約をお願いいたします。当日分も少量ご用意しますが、食品ロスを出来る限り少なくするための取り組みです。事前予約にご協力ください!

▶︎ 予約フォーム


☆スペシャルセット 1200円(缶ビール1本orワイン1杯付き)☆


スペシャルセットのほか、単品での下記のパンの販売も行います。こちらも事前のご予約にご協力をお願いいたします!

 

 

展覧会紹介

Token Art Centerでは、2021年11月13日から山下拓也個展「マスコットたちとカニエ・ウェストとタコス男、他」を開催します。
山下は、展示空間の床を直接彫って版木にしたり、壁を文字通りくり抜いて素材にするなど、展示空間を作品が生み出される工房(あるいは後述のマスコットを召喚する場)のように扱い、そこで作成されたピースを組み立てて作られる脆弱な要素で構成された彫刻の大規模なインスタレーション作品などで知られています。
山下作品には、度々プロサッカークラブやオリンピック、ある町などの様々なマスコットキャラクターがモチーフとして登場します。誕生した当初は消費社会の中で様々な記号性を担ってこの世に生み出された彼らは、スポンサー企業の経営不振によるクラブの消滅や原発事故など様々な事情によって当初とは異なる状況に置かれた存在です。彼らは亡者ではなく、記号性をはぎ取られた剥き出しの存在、あるいは形態だけが保存された剥製のような存在と言えます。 山下はそのマスコットを、彼らが置かれていたコンテクストから切り離されたホワイトキューブなどの展示空間へと強引に引きずり出します。山下作品においては、それが存在している固有の場と、関連のない別の場所との往来が重要であるように思います。マスコットが本来の役割を持っていた場所、つまりその存在のアイデンティティと分かち難く結びついていた時空から、強引に切断させたり別の時空へと接続させたりすることによって、形態はそのままに別の存在へと操作し作り替えてしまうのです。 例えば、1999年のサッカークラブ「横浜フリューゲルス」消滅とともに表舞台から姿を消したマスコットキャラクター「とび丸」を扱った《雨に散る油feat.横浜の》2013。この作品も展示空間の床を版木として、その場で刷られた無数のペラペラなとび丸が空間中にふらふらと漂い、蛍光塗料で着色されブラックライトの下で発光するその半立体は、モニターなどからイメージがそのまま引き摺り出されたようにも見えます。 彼らは1999年以前から呼び戻され元の役割を取り戻し蘇ったのではなく、当時とは別の役割が与えられる可能性を留保したまま、抜け殻のように不気味にただ存在しています。当時大量生産されたのと同じように、あるいはモニターなど媒体を通して見る現実が実世界を凌駕していくかのように、空間は増殖したトビ丸で充満されています。ただしそれらは機械による大量生産とは異なり、作家の身体性が反映された手彫り手刷りの作業によって、サンプリング元からは歪に変化しています。そこではポップで微笑ましいマスコットの背後にいるそれを操作する人間の存在が見え隠れするのです。このように山下は彫刻や版画のメディウムや展覧会の制度の問題を遊ぶように扱いながら、軽やかに現代社会の問題へと接続させ、鑑賞者の私たち自身の問題として突きつけるのです。
今回の個展「マスコットたちとカニエ・ウェストとタコス男、他」では、サンプリングやループといったヒップホップ的な手法を用いて、イメージを加工、変容、増殖させていきます。 2021年東京オリンピック開催以前は街中に溢れていながら、終了後にはパタリと姿を消したマスコット「ミライトワ」。彼らを展示空間に無限に増殖させるインスタレーションをメインに展示。そのほか、ラッパーのKanye Westのリリックを引用した木版画、表現主義の画家Wilhelm Morgnerの版画作品を参照し、ギャラリーの壁を直接彫り版木にして制作する版画のインスタレーション、そしてアーティスト倉知朋之介と共同で制作するプロジェクション彫刻など、新作盛りだくさんの内容となります。ご期待ください。

作家略歴

山下 拓也 Takuya Yamashita


1985年 三重県生まれ
2010年 名古屋造形大学美術学科総合造形コース卒業
2013年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了

近年の個展
2020年 「熊と多分インディアンと市長か警察官と背中、他」 VOU/棒 ギャラリー (京都)
              「Manta ray」 Art Center Ongoing (東京)
2018年 「Ningxia. Rd. Sec. Y」βpatz(カールスーエ/ドイツ)
             「Yanping N. Rd. Sec. Y」 TALION GALLERY (東京)

近年のグループ展
2021年 「名古屋×ペナン同時開催展:名古屋文化発信局」MAT Nagoya (愛知)、
              29 Lebuh Melayu(ペナン/マレーシア)
2020年 「一番良い考えが浮かぶとき」TALION GALLERY (東京)
              「2020年度第3期コレクション展 私は生まれなおしている
             ─令和2年度新収蔵作品 を中心に─」愛知県美術館 (愛知)
2019年 「アイチアートクロニクル 1919-2019」愛知県美術館 (愛知)



《雨に散る油 feat. 横浜の》2013 展示室の床、和紙に水性蛍光塗料、ブラックライト、テグス


《M△nila》2014 映像 4分


《弱弱様Ⅱ》2016 外壁、プリントシート、PVCシート、単管パイプ


《L.A. COHAMA OLYMPIC GAMES(BankARTの展示室の壁を素材にして、ロサンゼルスオリンピックのマスコット・イーグルサムを制作する。)》2014 BankARTの展示壁、塗料


《Untitled (LL-Beams)のドローイング》2020 紙に水性マーカー、ボールペン 210x297mm


主催:一般社団法人Token
協賛:合同会社ONEスマイル
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業