星野武彦 個展
「渾沌」


 

会期

2024年3月16日(土)〜4月14日(日) 12:00〜19:00 土日祝のみ
(3月16、17、20、23、24、30、31日、4月6、7、13、14日)




入場料:500円(お茶付き)


展覧会紹介


Token Art Centerでは、2024年3月16日より星野武彦 個展 「渾沌」を開催します。
2021年に弊センターで開催した前回の個展「歯車とレバー」以来の個展となります。前回の個展でも紹介した通り、星野は画面を構成する要素を極力減らして、あるいはなるべく簡素な方法を用いて、いかに絵画として、あるいは図像として成立させるかを考え制作しています。また、星野は制作について話す時星野は制作について話す時、「最後に絵を描くという行為を笑いたい」と言います。星野の制作のあり方はつまり、絵画たり得ないものから絵画を照射するということなのかもしれません。
本展のタイトル「渾沌」はこの星野の制作スタイルが表されていると言えます。ここでの「渾沌」は「荘子」より引用されています。「荘子」においては、目、鼻、耳、口のないのっぺらぼうの中央の帝が「渾沌」の名で登場します。南海の帝・儵と北海の帝・忽は、渾沌と出会い、よくもてなされます。儵と忽は相談し、人には皆七つの穴(=目・耳・口・鼻)があって、それを使って見たり聞いたり食べたり呼吸したりしているが、この渾沌だけには七つの穴がないから、受けたもてなしのお礼にと、渾沌に7つの穴を顔に開けてあげたところ、渾沌は死んでしまうという物語です。渾沌(混沌)は一方で未分、不分明である状態を表す意味があり、つまり渾沌であったものが7つの穴を開けたことにより顔として成立してしまったために「渾沌」でなくなってしまった、と読み取れることができるでしょう。前述の通り星野の制作は最小限の要素で絵画として成立させようとするものであり、7つの穴によって顔として成立してしまった渾沌の物語と重なります。
ただし、星野の絵画がミニマルであっても、可笑しさを湛えているのは、自身でコントロールできない偶然性、物質性といった星野が考える絵画としての性質を取り込んで、自身の制作を一部手放すことによって、自身が一番驚くような作品を作ろうとしているからかもしれません。
本展は近年の既発表作を中心に一部新作交えた構成で、星野の近年のこれまでの興味深い取り組みを一連でご覧になることができる場になるかと思います。ぜひこの機会にご覧ください。







イベント情報



作家紹介

星野 武彦 Takehiko Hoshino


1976年 愛知県生まれ 
2000年 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業

個展
2021年「歯車とレバー」Token Art Center (東京)
2020年「defragment」See Saw gallery+hibit (愛知)
2019年「トレーニングルーム」switch point (東京)
2018年「迷信」bgm gallery and shop, Finch Arts (京都)
2008年「My Heart And The Real World」magical,ARTROO (東京)

グループ展
2023年「不透明な幽霊」Talion gallery (東京)
「三つの心臓」豊島区立熊谷守一美術館 (東京)
2017年「渓谷 / そっくり」switch point (東京)
「fiction-friction」矢田市民ギャラリー (愛知)
2016年「ユーレイの海馬」矢田市民ギャラリー (愛知)
2013年「くへV」Jikka (東京)
2012年「Power of Painting」NADiff Gallery (東京)
2011年「Free for All -地獄変-」island MEDIUM (東京)
2010年「脱臼」island (千葉)
「Power of Painting island (千葉)
「第二回表現者蹶起集会」エーデルプラッツェビル他 (大阪)
2008年「THE ECHO」ZAIM (神奈川)
「NEW BEGINNING」magical, ARTROOM (東京)
2007年「表現者蹶起集会」名村造船所 (大阪)
「WORM HOLE episode 9」magical,ARTROOM (東京)
2005年「字界へ-隘路のかたち」長久手文化の家 (愛知)
2004年「conran show」island (OKADA STUDIO)
2003年「error」カノーヴァン (愛知)、TwinSpace (大阪)、switch point (東京)、



《TORI》2017年 1940x1620 キャンバスにアクリル絵具


《キャッチャー》2018年 1393x970 キャンバスにアクリル絵具


《neko》2017年 380x455 キャンバスに油彩


《untitled》2008年 910x910 キャンバスに油彩