螺旋の川
(パフォーマンスクルージング)


開催日時

2022年11月19日(土)、20日(日)
11月20日(日)は天候不良のため12月17日(土)に順延となりましたが、順延日12月17日も天候不良により中止となりました。
1便目17:10〜19:00(集合16:50、出航17:10)、2便目19:40〜21:30(集合19:20、出航19:40)

※集合時間に間に合わない場合は事前に必ずご連絡ください。集合時間までに遅刻連絡をいただけない場合及び出航時間に間に合わない場合は、ご乗船出来ませんのでご了承ください。
(荒天等により出航不可の場合、プログラムの都合により19日は12月18日(日)、20日は12月17日(土)に延期)

参加費・定員

参加費:4000円
定員:各便25名(要事前決済・先着順・定員に達し次第終了)
10月19日(水)12時チケット発売開始!

▶︎ チケット申込みサイト


※記録のための動画、写真撮影を行いますので、予めご了承ください。
記録映像をToken Art CenterのYoutubeチャンネルにて12月下旬公開予定です。

企画紹介

「螺旋の川」は、外濠を含む神田川、日本橋川、隅田川などを日没後に巡るパフォーマンスクルージングです。航行する船の上から、アーティストによって仕掛けられた音声ガイド、パフォーマンス、音楽演奏、朗読、展示作品とともに、川によって形作られたさまざまな出来事の断片を体験します。

このイベントは2015年から主に大阪で不定期開催されている梅田哲也、hyslomらによるナイトクルージング・パフォーマンス《入船》を原案として企画、構成されています。

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クルージングの舞台となる川を考えるために、まずは既存の地図を参照してみたい。
地図はその名の通り「地」面を描くものだから、その制作においては「地」面と「水」面の境界線を引くこと、つまり地と水を分離することが第一の原理となっている。そうして作られた地図における水、つまり川や池や湖は、陸上で生活する私たち人間にとって、地の中の空白として認識される。地図における水面はヴォイド、だから現代では川は都市の裏側といえるのかもしれない。

ここで、地から水へと視点をシフトさせて、川などの水面を中心に描いた川の海図のようなものを仮構してみる。地図において交通を遮断する川は、この川の海図においては自由に行き来できる道になる。近代以前には水運が盛んだったから、このように川を道としてみることもあったのではないだろうか。そして、近代以降に進展した治水事業や護岸工事によって人工的に水面が管理され、水と地の境界が強固に定着される以前は、川は野放図的に幅を伸縮させたり、流路を変化させたりし、その境界は一定してはいなかったのだ。
ところで、民話や昔話の中にもその名残が多く見られるように、川は古来、この世とあの世を隔てる境界としても意識されてきた。水と地の境界が一定していない近代以前の、此岸と彼岸の境界が揺らいでいる状態を想像する。現実と、それとは異なる位相が反響する。

船は日没後に出航する。昼の陸上から見えていたものは、夜の水面からは見えないかもしれない一方で、見えていなかったものが見えるかもしれない。この川には、アーティストによる作品とともに、川によって長い時間をかけて生成されたさまざまな出来事の断片が点在している。ただし、この環境ではそれら作品と作品でないものの境界もまた一定してはいない。人工的に管理された地と水の境界が再び揺らぎ出すように、整えられた秩序を少しずつ乱しながら船は進む。

参考書籍
江戸の城と川(SERIES地図を読む1) 塩見鮮一郎 批評社
世界の水の民話 翻訳:日本民話の会、日本民話の会外国民話研究会 三弥井書店 ほか

参加アーティスト

梅田 哲也 Tetsuya Umeda


建物の構造や周囲の環境から着想を得て、その場でしか成立しえない現象としての時間を演出する。これまでにツアー型の展覧会およびパフォーマンス作品を数多く発表しており、水路や河川のナイトクルージング・パフォーマンス《入船》を2015年より不定期で開催。近年の個展は「梅田哲也 イン 別府『O滞』」(別府、2020-2021年)、「うたの起源」(福岡市美術館、福岡、2019-2020年)など。
助成:公益財団法人セゾン文化財団

 

《入船》2015- 撮影:西光祐輔

《入船》2015- 撮影:西光祐輔

 

小寺 創太 Sota Kodera


2021年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。主な展示に「界面体」(CON_)、「ストーンテープ ~見たら呪われる展示~」(PARA、2022)、「調教都市」 (Token Art Center、2022)、「野山のなげき」(Room_412、2021)、「TOMO年越美術館 2021-2022 いる派 presents 身体アンデパンダン24時」(TOMO都市美術館、2021-2022)、「Agoraphobia」(隅田公園、牛嶋神社、隅田川、2021)など。

 

《調教都市》2022 制作協力:吉野俊太郎 撮影:松尾宇人

《凶室》2021 音楽・映像制作:HAIZAI AUDIO 漫画提供:ぽこたなかちん

 

阪中 隆文 Takafumi Sakanaka


1989年東京生まれ。写真・映像・インスタレーションを制作する。暗渠、ビルの天井裏、床下、古墳、空き地など都市や建築の周縁的領域に着目し、遊びのような行為によってアプローチする。 1964年の東京オリンピック政策によって埋もれた地下河川でパレードをしたり、古墳の石室に隣接する中学校からテニスボールを打ち込む遊びを子供達と行い、あるいはチャウシェスク政権によって残された巨大な地下構造物に自身の恋愛感情を吐露したりと、社会の変化によって生まれる空白の空間を個々の身体や感情とコラージュのように結びつけている。 近年は身体と意識の周縁的領域としての痒みとボリボリについての作品を制作する。 主な展示に「wandering in atopia」 (国際芸術センター青森、2020)、青森、「スーパープレイ」(Token Art Center、2019) 「かこさまいまさまみらいさま」(Art Center Ongoing、2016)などがある。


《12days on ledge》2015

《tennis with tumulus》2019

 

寺尾 紗穂 Saho Terao


1981年東京生まれ。2007年ピアノ弾き語りアルバム「御身」でデビュー。大林宣彦監督の「転校生 さよならあなた」、安藤桃子監督の「0.5ミリ」など主題歌の提供やCMの仕事(三井のリハウス、JA共済など)、新聞やウェブでの連載も多い。 2022年4月より各地のドキュメンタリーを放送する番組「Dearにっぽん」(NHK)のテーマ曲に「魔法みたいに」が選ばれ、教科書『高校生の音楽?』(教育芸術社)にも同曲が掲載、反響を呼ぶ。2023年3月5日に10回目となる「りんりんふぇす」(『BIG ISSUE』を応援する音楽フェス)を準備中。あだち麗三郎、伊賀航と共にバンド「冬にわかれて」でも活動を続けている。 土地に埋れたわらべうたの発掘、リアレンジしての音楽発信をライフワークとし、『ミュージック・マガジン』誌での「寺尾紗穂の戦前音楽探訪」を連載中。2021年には松本の浅間温泉のアート・プロジェクト「ユアリテ」に招聘され、2023年には高知・須崎でのプロジェクト『現代地方譚』に参加予定など、ライブの他にも各地での表現の場が増えている。最新刊は『天使日記』(スタンドブックス)、アルバム近作は「余白のメロディ」。 11月20日(予備日12月17日)のみ出演。
 

 

トモトシ Tomotosi


1983年山口県生まれ。2007年国立大学法人豊橋技術科学大学建設工学課程を卒業後10年にわたって建築設計・都市計画に携わる。2014年より映像作品を発表。「人の動きを変容させるアクション」をテーマに、主に都市空間を舞台に制作している。2020年よりTOMO都市美術館を企画運営。主な展覧会に「ミッシング・サン(芸術競技2021)」(代々木TOH、2021)、「有酸素ナンパ」(埼玉県立近代美術館、2019)、「あいちトリエンナーレ2019」(豊田市、2019) がある。 主な受賞に「デイリーポータルZ 新人賞2020」優秀賞、「イメージフォーラム・フェスティバル2019」観客賞、「WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019」準グランプリがある。


《イフアイムーブミー》2020 撮影:宮野かおり

《東京五輪へ贈る3匹の魚》2020 撮影:藤田直希

 


水沢 なお Nao Mizusawa


1995年静岡県生まれ。武蔵野美術大学在学中より詩作をはじめる。2016年、第54回現代詩手帖賞受賞。2019年、第1詩集『美しいからだよ』(思潮社)を上梓。2020年、第25回中原中也賞を受賞。11月19日(予備日12月18日)のみ出演。

 

 


山本 篤 Atsushi Yamamoto


1980年、東京都生まれ。多摩美術⼤学絵画学科油画専攻卒業。現在、東京を拠点に活動。現代社会が抱える問題を切り口にしたフィクション作品からごく私的なドキュメンタリー、コント的な実験作品など多彩な映像作品を意欲的に制作する。作家自身が登場人物を演じることも多く、奇妙な現実味を帯びた作品の中に取り込まれるような独特の世界観が高い評価を得ている。主な展覧会に「MY HOME IS NOT YOUR HOME」シュウゴアーツ(2022)、「DOMANI・明日展2021 スペースが生まれる」国立新美術館(2021)、「祈りのフォーム」Art Center Ongoing(2020)など。


《Humming in the rain》2022

《ROAD》2020-2021

 


渡辺 志桜里 Shiori Watanabe


循環し続ける水の中に魚・野菜・オブジェそして微生物がバラバラに配置されているインスタレーション作品《サンルーム》(2018-) に皇居のお濠から汲み取った水が使用されていたように、渡辺の作品は通じて、生態系や身体といった問題を扱いながらも、その深淵には常に極めて政治的な天皇制への独自の視点が盛り込まれている。 また、在来種や外来種といった個々の種に潜む資本主義、グローバリズムといった問題を生殖やフェミニズムなどと結びつけ、人間社会を含むエコロジーのあり方を模索している。


《Green block Yellow block》2020-

《サンルーム》2018-

 

航行ルート

小梅橋船着場→北十間川→隅田川→神田川→日本橋川→隅田川→両国防災船着場


 

     

集合場所・集合時間

集合場所:小梅橋船着場(東京都墨田区向島一丁目23番)
集合時間:1便目16:50、2便目19:20


※集合時間に間に合わない場合は事前に必ずご連絡ください。ご連絡いただけず出航時間に間に合わない場合は、ご乗船出来ませんのでご了承ください。 東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー」駅 徒歩3分
都営浅草線「本所吾妻橋」駅 徒歩5分
東京メトロ半蔵門線「押上」駅 徒歩9分


解散場所:両国防災船着場(東京都墨田区横網一丁目2番13号)
JR総武線「両国」駅 徒歩3分
都営大江戸線「両国」駅 徒歩7分

 

開催概要

イベント名:螺旋の川
日程:2022年11月19日(土)、20日(日)1便目17:10〜19:00(集合16:50、出航17:10)、2便目19:40〜21:30(集合19:20、出航19:40)
※集合時間に間に合わない場合は事前に必ずご連絡ください。集合時間までに遅刻連絡をいただけない場合及び出航時間に間に合わない場合は、ご乗船出来ませんのでご了承ください。
(荒天等により出航不可の場合、プログラムの都合により19日は12月18日(日)、20日は12月17日(土)に延期)
実施場所:隅田川、北十間川、神田川、日本橋川
参加アーティスト:梅田哲也、小寺創太、阪中隆文、寺尾紗穂、トモトシ、水沢なお、山本篤、渡辺志桜里
原案:入船
主催:一般社団法人Token、「隅田川 森羅万象 墨に夢」 実⾏委員会
共催:墨田区
協賛:株式会社東京鋲兼、東武鉄道株式会社
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
協力:株式会社ジール、NPO法人 BEPPU PROJECT、下山健太郎、加藤至、堀尾寛太
音響:東岳志
メインビジュアル制作:占部史人
フライヤーデザイン:牧寿次郎
記録撮影:鈴木光、松尾宇人
※「隅田川 森羅万象 墨に夢」実⾏委員会 事務局は(公財)墨田区文化振興財団が担っています。

   

お問合せ

Token Art Center(一般社団法人Token)
〒131-0032 東京都墨田区東向島3-4-14
E-Mail: info(at)token-artcenter.com
※ (at) は @ に置き換えてください