小寺創太
個展「米会話」


 

会期/ Period

2026/9/12, 13, 19, 20, 26, 27,
10/3, 4, 10, 11, 12
※only weekends
※会期を1日延長しました。


13:00〜19:00




入場料/ Admission
¥500 with tea


イベント/Events

展覧会紹介/ Introduction

Token Art Centerでは、2026年9月12日より小寺創太 個展「米会話」を開催します。
小寺創太は、自身の身体を展示空間に置く「いる派」を標榜し、身体とそれを取り巻く環境や他者との関係、そして展覧会制度そのものを問い直すような作品を発表してきました。2022年にToken Art Centerで開催した「調教都市」では、公共空間に設置された「排除アート」を起点に、排除や包摂の構造に目を向けました。そこから、身体を取り巻く空間の境界や、境界によって生まれる排除へと関心を広げてきた小寺が、今回着目するのは「アメリカ」です。
近年、小寺は、通常は立ち入ることのできない横田基地内に入る手段として、基地内で行われている英会話学習に目を付け、実際に基地の内部で英会話を続けています。米軍基地は、戦後日本におけるアメリカの存在を象徴する「境界の向こう側」です。小寺は、基地内で英会話を学ぶという経験を通して、自身のアメリカへの憧憬や反感、英語へのコンプレックスと向き合いながら、戦後日本がアメリカを受容してきた歴史を問い直し始めました。
本展では、「We Are The World」や「八紘一宇」といった言葉が重要なモチーフとして扱われます。それぞれ異なる時代や文脈に属しながら、世界や人々の結びつきを示す、一見すると普遍的で肯定的な響きを持つ言葉です。しかし、「ひとつの世界」や「ひとつの共同体」という理念が国家や覇権の論理と結びつくとき、「私たち」という言葉は、その外側にいる者を生み出し、内側では同調を強いることになります。連帯を掲げる言葉が、いつしか境界を引き、排除と包摂を正当化する言葉へと変わっていきます。
小寺が捉えようとするのは、そのような理念の変容と、その先にある暴走、そして自滅です。普遍性を掲げる言葉が排外的な力を帯び、それがさらに押し進められることで、やがて当初の理想そのものが空洞化し、自らを支えていた論理を崩壊させていく。グローバリズムとナショナリズム、普遍性と排除、憧れと暴力は、対立するものとしてではなく、互いを生み出しながら循環するものとして現れます。
「米会話」という展覧会タイトルは、「英会話」と「アメリカ」を重ねた小寺による造語です。大きな政治や歴史を扱いながらも、その出発点にあるのは、英語を話すことへのコンプレックスやアメリカへの個人的な憧憬と反感です。そこから横田基地という具体的な場所を経由し、戦後日本とアメリカ、そして「世界」をめぐるより大きな問題へと展開していきます。本展では、上記コンセプトに基づき、すべて新作のインスタレーション、音響、写真、映像を発表します。横田基地という具体的な場所から、戦後日本とアメリカ、そして「世界」をめぐる問いへと展開していく小寺創太の新たな試みを、ぜひ会場でご覧ください。


音楽制作:HAIZAI AUDIO


作家略歴/Biography

小寺創太 Sota Kodera


「いる派」と称する、自身の身体を展示物として扱うパフォーマンス/インスタレーションを起点に、作品・鑑賞者・作家のあいだに生じる力学や倫理に着目し、展示や鑑賞を成立させる制度そのものを問い直しながら、社会および自己批判的な作品制作を行う。

1996年東京都青梅市出身
2021年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了

2024年 「六本木アートナイト 2024」(国立新美術館)
2023年 「EASTEAST TOKYO 2023」(科学技術館)
2022年 「界面体」(CON_)
2022年 「ストーンテープ〜見たら呪われる展示〜」(PARA)
2022年 「調教都市」(Token Art Center)
2022年 「野山のなげき」(Room_412)




調教都市(2022)
パフォーマンス/インスタレーション
制作協力=吉野俊太郎 撮影:松尾宇人



tyokyo in tokyo 池袋1(2022)
インクジェットプリント
撮影=藤江龍之介 展示撮影:松尾宇人



tyokyo in tokyo 渋谷(2022)
インクジェットプリント
撮影=藤江龍之介 展示撮影:松尾宇人







フィラー(2024)
パフォーマンス/インスタレーション
撮影:澤田詩園



透明人間(2023)
パフォーマンス
場所=科学技術館(EASTEAS_TOKYO2023)撮影:BALL GAG



透明人間(2024)
パフォーマンス
場所=日本橋三井ホール(DESIGNTIDE TOKYO 2024)撮影:澤田詩園



透明人間の記録 2023.2.19(2024)
支払調書、額
撮影:澤田詩園






ストーンテープ〜見たら呪われる展示〜(2022)
インスタレーション
企画=小寺創太 制作=江口智之×小寺創太 撮影:辻凪彩